今回は4月の誕生石のダイヤモンドのカットスタイルの一つ『ローズカット』についてです。
『ローズカットダイヤモンド』
なんてロマンティックな響きでしょう。
薔薇の形にカットされたダイヤモンドではないんです。
ローズカットダイヤモンドは、底辺が平らでドームのように盛り上がった表面に、24面の三角形のファセットを精密に積み上げて円に形作るカットで、上から見るとまるで薔薇の蕾のように見えることでその名がつけられたそうです。
ダイヤモンドといえば思い浮かぶ、ラウンドブリリアントカットの持つ、きりりとした複雑で眩い煌めきとは違い、ローズカットは温かみのある穏やかで優雅な煌めきを放つカット。
思えば、ダイヤモンドの持つ煌めきを計算しつくしたラウンドブリリアントカットが発明された19世紀当時、人口の灯りの下で美しくまぶしい煌めきを放つこのカットのダイヤモンドは、夜の宝石として人気があったそうです。
それ以前の人工の灯りがまだなかった頃、オランダ生まれのこのローズカットは太陽の光やろうそくの光の反射で、あたたかで控えめな輝きを放つものであり、貴族の夜会で多くの王侯貴族に好まれ、愛されていたのです。
アンティークやクラシックなジュエリーに、多くみられるダイヤモンドのカットであることもうなずけます。
ラウンドブリリアントカットとローズカット、それぞれの美しさがあるもので、どんなカットを施されても美しく煌めく、ダイヤモンドの誇り高き魅力です。
ローズカットは、カット面が少ない分、ダイヤモンドの中に含まれるインクルージョンやキズの存在も見えやすく、ごまかしがききません。
その輝きは、お石自体の品質にも左右されてしまいます。
つまり虹色の輝きの美しいローズカットは、ダイヤモンドの品質も高いものでもあるともいえます。
ローズカットの透明感のある煌めきは、上品で優しく穏やか、ピュアでつつましやか。みずみずしい水面の輝きのようにも例えられています。
最近はアンティークな風合いのジュエリーに人気がありますが、それとともにこのローズカットのダイヤモンドにもファンが増えてきているように感じています。
その美しさゆえ、美の象徴でもある薔薇の名を冠するカットのダイヤモンドの、奥ゆかしい控えめな輝きは、ネーミングとともに、やっぱり優美でロマンティックなムードがあるのです。
ダイヤモンドだけではなく、様々なストーンにもローズカットは施されています。
その整った三角形の面が反射する輝きは、これまで当たり前のように抱いていた宝石の輝きとは一味違い、アンティークやヴィンテージの香りもしたりで、醸し出すその独特の雰囲気は、宝石との新たで新鮮な出会いとなることと思います。
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