今回は、独特なノーブルさを持つカメオについて書きたいと思います。

カメオとは、宝石に凸型に陽刻された浮き彫りを施したもので、代表的なものにメノウに彫刻したストーンカメオ、貝に彫刻したシェルカメオがあります(凹型に陰刻された沈み彫り彫刻はインタリオ)。

カメオは宝石の名前ではなく、工芸技法の名前なのです。

貝にもメノウにも色の層(層に着色したメノウもあります)があるので、彫りにふわりと浮かび上がる、白からその層の色のグラデーションが美しく魅力的です。

カメオの起源は紀元前のギリシャ時代で、女性よりも男性が持ち、装飾品としてではなく、お守りや宗教的要素が強かったそうです。

ローマ時代には、貴族や富裕層の権力の象徴として存在し、その後、中世時代にはすたれていたカメオでしたが、再度カメオを復興させたのは、ルネサンス文化の擁護者として有名なフィレンツェのメディチ家でした。

人文主義のルネサンスにおいて、ギリシャ、ローマ時代に栄えたカメオの芸術的価値は、優れた審美眼を持ったメディチの人々にとっては、コレクションするに値するそれはそれは興味深いものだったのだろうと思います。

さらに新古典主義を経たナポレオンもステイタスシンボルとしてカメオを愛し、カメオの芸術性を保護し伝えるために、カメオ彫刻の学校をパリに設立したそうです。

ナポレオンのおかかえジュエラーであり、パリのグランサンクの一つ「CHAUMET(ショーメ)」の去年日本で開かれた美術展では、それはそれはゴージャスで麗しいカメオやインタリオがあしらわれた宝飾芸術品が多数展示されていました。

その後、イギリスのヴィクトリア女王によりファッション性の高いアクセサリーとして女性たちの間に定着し、加工のしやすいシェル素材が増え、彫刻のテーマも優雅な女性のプロフィールが主流となり、現在はストーンカメオはドイツで、シェルカメオはイタリアの「トーレ・デル・グレコ」で多く作成され、世界中の女性に愛されています。

繊細で精緻、優雅なその彫りの装飾は、クラシカルで気品とエレガンスにあふれており、ジュエリーとしてはもちろん工芸品としての魅力も十分で、目を心を惹きつけてやみません。

そんな着けずとも鑑賞するだけで満足度の高いカメオですが、身に着けるとなると、途端にハードルが高くなる気がしてしまう方も多いのではないでしょうか。

由緒正しいクラシカルでノーブルな雰囲気を持つカメオですが、普段使いにも楽しめます。

例えば、バチカンのある物でしたらリボンに通して、ブローチなら幅広のリボンに留めてチョーカーにして、クラシカルな中にもミステリアスで華やかな雰囲気に。

革ひもに通して、ジーンズやシャツにカジュアルダウンしても、フェミニンで上品な雰囲気はそのままです。

スカーフやマフラーを留めてもファッショナブル。

もちろん、シンプルなニットの首元や胸元に、ジャケットやコートの襟、ブラウスの第一ボタンの上になど、正統派の着け方もノーブルなクラス感を感じさせてくれます。

特に今年流行のボウのついたブラウスなどにもぴったり合います。

カメオは、それぞれが個性を持つ唯一無二のものです。

最近のカメオは、アンティークのカメオの雰囲気とは違っていて、作家の個性が図柄のデザインに表現されたものも多く、彫りこまれた女性の目や表情で、作家が誰であるのかわかってしまうほど。

いつか、図柄や繊細な彫刻が自身の美意識を震わすような、愛してやまないオンリーワンのカメオとの出会いが、ふいに訪れるかもしれませんね。

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