先日、フランスの高級ブランドグループ「モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)」がティファニーを約162億ドル(約1兆7600億円)で買収することで最終合意したというニュースがありました。
このニュース自体驚きなのですが、とても巨額でティファニーがどれだけ大きな価値で評価されているのかがわかります。
この買収で、ティファニーのコンセプトやイメージが揺らいだり、変化することはないと思いますが、ティファニーのジュエリーのイメージとして、デザインの面で大きな役割を果たしてきたデザイナーが「エルサ・ペレッティ」です。
エルサペレッティは、ティファニーで実に多くのコレクションを手掛けてきました。
「オープンハート」「ビーン」「ティアドロップ」「バイザヤード」「アップル」「スネーク」「ボーンカフ」「エターナルサークル」「ウェーブ」など一目でティファニーだとわかるアイデンティティに富んだデザインの数々は、とても印象深く魅力的なもので、現在でも人気の高いものばかりです。
滑らかな鏡面の凹凸を持つ有機的でセンシャルなフォルムは、まさにティファニーを象徴しています。
彼女の作品で最も有名な「オープンハート」。
この造形美は、20世紀を代表するイギリスの彫刻家「ヘンリー・ムーア」に影響を受けているそうです。
なるほど、ヘンリー・ムーアのモダニズムあふれる、滑らかな表面の彫刻は、ペレッティの生み出すフォルムに通じるものを感じます。
1940年にイタリアのフィレンツェの名家に生まれ、60年代にはバルセロナへと渡り、画家サルバドール・ダリのモデルとなり、1969年にニューヨークへ渡り、社交界の中心的人物だったファッションデザイナー「ホルストン」と出会い、モデルとしてだけではなく、ジュエリーデザインも手掛けるようになります。
美しさのみならず、その感性で、さらに当時のファッション界や美術界のキーパーソンによる寵愛を受けスターとなったそうです。
そしてそのスターとティファニーの出会いが、ジュエリーシーンに大きな変化をもたらしたのです。
「シンプルであること、それがスタイル」
というポリシーをもとに、身近なものからインスピレーションを受けた豊かな曲線、無駄をそぎ落としたようにデフォルメされたシンプルな美しさが魅力で、そのニュアンスのある鏡面の光沢と輝きは、知性や生命力を感じさせます。
シンプルさゆえタイムレスに身に着けられ、定番のマストジュエリーとしてもエレガントで洗練されたエルサ・ペレッティのデザインは、これからも憧れの存在であり続けるのでしょう。
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