2月の誕生石であるアメジストは、日本名で「紫水晶」と呼ばれ、その名からもわかるように水晶の一種です。
水晶の中でも薄紫色をしている水晶をアメジストといい、水晶の結晶と鉄イオンが結びつくことで、その紫色が発色します。
主な産地は、ブラジル、ザンビア、ウルグアイ、マダガスカルなどが有名ですが、日本でも産出する(した)宝石でもあります。
かつて石川県で採れた良質のアメジストはその色から「加賀紫」と名づけられており、その名は、とても凛とした高貴な印象ですね。
アメジストは、ギリシャ神話に登場します。
酒に酔った酒の神バッカスが、これから最初に出会った人を猛獣に襲わせようと企み、最初にそこに通りかかった、月の女神の女官アメジストが襲われそうになった時、これに気づいた月の女神が、アメジストを一瞬にして真っ白な水晶に変えたのです。
その後、酔いから覚めたバッカスは己の罪を後悔し、その真っ白な水晶になってしまったアメジストにたむけの葡萄酒を注ぐと、透き通った紫の宝石「アメジスト」になったのだと。
語源となったギリシャ語の『amethystos』は「酒に酔わない」という意味で、悪酔いから身を守るお守りにもされてきたそうです。
そしてアメジストは、純粋さや信仰深さの象徴とされ、世界中で紫は高貴な色と考えられており、そのため、位の高い人だけしか身につけることが許されなかった色なのです。
古く日本では、聖徳太子が定めたという「冠位十二階」でも濃紫が一番高い位とされていたそうです。
キリスト教においては、アメジストは「司教の石」として、宗教にまつわる儀式の際に用いられ、多くの人がその指輪を身に付けていました。
かのレオナルド・ダ・ヴィンチも「紫水晶は邪悪な想念を霧散させ、知性の働きを活発にする」と。
そして2000年前の古代ローマ時代の大プリニウスが著した「博物誌」の宝石の巻には、アメジストのことが書かれており、インド産のものが最上級とあり、紫の中にバラ色が照り返すと。また最上のアメジストは貝紫の色であり、光にかざして見ると薔薇色の光が紫のうちに柔らかく照り返すものがあり、このようなアメジストは「ウェネリス・ゲナ(ウェヌスの頬)」と呼ばれる、と書かれており、アメジストの多色性(見る方向によって色が変わる)や、光源の種類によって色が変わる(カラーチェンジ)ものもあるということにも触れられています。
パワーストーンとしても人気のあるアメジストですが、クラスターやドームなど、採取された時のままの姿のものも人気があります。
霊性の高い石として、マイナスのエネルギーをプラスに変える効果があるといわれ、第六感を高めて、邪悪なものから身を守るお守りとしての効果も期待でき、心に平穏をもたらし、安らぎと癒しをもたらしてくれると言われています。
アメジストは、高額の宝石ではありませんが、様々な魅力の詰まっているファンタジックでパワーに満ちた宝石なのです。
最後に、アメジストは紫外線に当てすぎると色が褪せて退色してしまう性質、また加熱すると色が変化しやすいという特徴もあります。
熱で変色するという特徴から、アメジストを加熱処理して、黄色やオレンジ色のシトリンが作られているほど。
火気のそばで使わないようお気をつけください。
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